アスベスト(石綿)の事前調査とは?調査対象かどうかの確認方法や費用相場も解説

建物を解体したり、リフォームや修繕を行う際に欠かせないのが「アスベスト(石綿)の事前調査」です。

アスベストは防火性能が高いため、かつては建造物に使われていましたが、健康被害のリスクが判明し法的に規制されるようになりました。

特に、高度経済成長期に建築された建物では含有の可能性が高く、事前の確認が欠かせません。

この記事では、アスベスト調査の概要から対象建築物の見分け方、調査の流れ、費用相場まで詳しく解説します。

アスベスト(石綿)の事前調査とは

アスベスト調査

アスベストの事前調査とは、建物の解体や改修工事を行う前に、その建物にアスベストが使用されているかを確認する作業のことです。

飛散したアスベストを吸い込むと、肺がんをはじめとする重篤な病気につながるため、この調査が義務付けられています。

適切な調査がなされないと、撤去や封じ込めができず、作業者や周辺の人々の健康被害につながります。

必ず、専門知識を持つプロに依頼し、報告書を作成してもらいましょう。

アスベスト(石綿)の調査対象かどうかの確認方法

建物が事前調査対象かどうかを判断する上で、まず重要なのは「建築された時期」です。

法改正が行われた2006年9月1日以降に着工された建物には、原則としてアスベストは使用されていません。

そのため、新しい建物であれば調査対象外になる可能性があります。

ただし、建築確認通知書や竣工図面などの「書面による証明」が必要です。

また、工事内容も重要です。例えば、釘打ちやビス止めなどの軽微な作業、あるいは既存塗材を除去しない塗装工事などの場合は、事前調査の義務はありません。

不明点がある場合は、厚生労働省の「石綿総合情報ポータルサイト」を参照してチェックするとよいでしょう。

アスベスト(石綿)事前調査の流れ

アスベストの事前調査は、大きく3つのステップに分かれます。

まずは図面などを使った「書面調査」、次に現地での「目視調査」、そして必要に応じて行われる「分析調査」です。

①書面調査

最初に行うのが「書面調査」です。

書面調査では、建物の設計図や建材リストなどの書類を確認し、アスベストが使用されている可能性のある箇所を洗い出します。

これにより、後の現地調査をスムーズに進めることができます。

なお、設計図や仕様書が存在しない場合は、この工程を省略して次の目視調査に移ります。

②現地での目視調査

続いて、書面調査の内容をもとに、実際の建物を訪れて目視調査を行います。

この調査では、建材の種類や設置状況を確認し、写真や記録を残します。

その後、使用されている建材が、既知のアスベスト含有建材リストと一致するかをデータベースで照合し、アスベストの種類や含有の可能性を評価します。

情報が不十分な場合は、次の分析調査へと進みます。

③分析調査

目視調査で確実な判定ができなかった建材は、サンプルを採取し、専門機関での分析調査を行います。

主に用いられる手法は、顕微鏡を用いた「定性分析」です。

なお、分析調査を省略し、安全のため「アスベスト含有」とみなして報告書を作成・提出することも可能です。

アスベスト(石綿)事前調査の費用相場

アスベストの事前調査にかかる費用は、調査の内容によって異なります。

書面調査と目視調査のみの場合、一般的には5万円〜10万円程度が相場です。

ただし、調査範囲が広い場合や、複数の建材を扱う場合は、それ以上になることもあります。

さらに分析調査を実施する場合は、追加で10万円〜20万円以上かかる可能性もあるため、正確な金額を把握するために事前の見積もりが重要です。

アスベスト(石綿)調査と処理はプロにお任せください!

アスベストは見た目では判断できず、調査には専門的な知識が必要です

当社は愛知県で40年以上にわたって清掃業務を行っており、「建築物衛生管理技術者」の資格を持つスタッフも在籍しております。

事前調査から施工会社との連携による撤去・封じ込め、さらには引き渡し後の処分まで、ワンストップで対応可能です。

解体や改修をご検討中の方は、まずはお気軽にご相談ください。

現地の状況に合わせた最適なプランをご提案いたします。